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【センター韓国語】2019年度・第6問・問1〜問3

第6問

問1

 本文中から読みとれる内容に合致するものを選ぶ問題。読むべき箇所が「段落(1)と段落(2)」と指定されているので、選択肢の内容に合致する記述がこの2つの段落に含まれているかどうかをチェックすればよい。
 なお、あらかじめ2つの段落の内容を確認しておこう。
 段落(1)は本文全体の導入部分であり、30〜40年前のソウル都心にはリンゴの花粉を媒介するミツバチが姿を消していたが、最近では都心のあちこちで養蜂が始まったということが述べられている。
 段落(2)は本文における本論が始まる部分であり、東京銀座での養蜂が次第に盛んになって、ビルの屋上の緑化や、蜂蜜を用いた商品の販売とその利益の活用などが行われていることが述べられている。
 以上のような段落の内容をあらかじめつかんだ上で、選択肢を検討するとよい。
 ①の「ソウル都心で養蜂」が始まったことついて述べているのは、段落(1)の最後である。しかし、ソウル都心での養蜂が始まって以後に「蜂蜜入りのお菓子」が作られ始めたとは書かれていない。また、段落(2)では「銀座の蜂蜜」と銘打った商品が作られるようになったことは述べられているが、これは東京銀座の養蜂に関する記述であり、①の記述には当てはまらない。
 ②「東京銀座のビルの屋上」の様子について述べているのは、段落(2)の真ん中あたりである。それによると、「東京銀座のビルの屋上」では、都市養蜂をきっかけとして、蜂が蜜を作るための「木や花を植える事業」が進んだという。つまり、都市養蜂が「木や花」のある庭園の増加をもたらしたと見ることができる。
 ③「ソウル」での「リンゴの木」と「蜜蜂」について言及があるのは、段落(1)である。それによると、「花粉を媒介する蜜蜂」がソウル都心から姿を消していたものの、最近では都心でも養蜂が始まったことが述べられている。しかし、実際に「ソウルでリンゴの木を植え始めた」という記述は見られず、③の記述は段落(1)に当てはまらない。
 ④「養蜂事業」への「反対」について述べているのは、段落(2)の前半部分である。それによると、「東京都心での養蜂事業」に多くの反対があったことは述べられているものの、「ソウル都心での養蜂事業」への反対の有無については述べられていない。したがって、④の記述は段落(2)に当てはまらない。
 以上から、本文中から読み取れるものは②であると判断できる。
■46■→②

問2

 本文中の記述を読んだ後の感想として適当でないものを選ぶ問題である。設問の問いかけ方がやや特殊であるため、どのようにして考えればよいか迷うかもしれない。要するに、本文の内容に基づかない記述があるかどうかをチェックすればよい。したがって、各選択肢に書かれている内容が、本文(ここでは段落(3)と段落(4))から無理なく引き出せるものかどうかを順に確認していけばよい。
 ①を日本語訳すると「都市養蜂をして屋上に花と木を植えるようになると、何も植えていなかったときよりも夏の昼間の屋上の表面温度を落とすことができるだろうな。」となる。段落(4)を見ると、都心の中の住民が屋上やベランダに花や木を植えることで、ヒートアイランド現象を減らす(抑える)効果がもたらされたという見方が提示されている。①は、この見方に合致するものであり、読後の感想として妥当であると言える。
 ②を日本語訳すると「ビルの屋上に花を植えて蜜蜂を飼えば、農村の農作物の生産は減るだろうけど、都市のヒートアイランド現象の問題はある程度解決することができるみたいだけど。」となる。選択肢後半部分のヒートアイランド現象の解決については、段落(4)から読み取ることができる。しかし選択肢前半部分にある農村の農作物の生産の減少については、段落(3)の内容を正しくとらえていない。段落(3)では、農村で蜂蜜の生産者が急減したために、農村から蜜蜂が消え、農作物の生産量の減少につながったというつながりが示されている。②のような、都市での養蜂が農村での農作物の生産減少につながるといったつながりは示されていない。したがって、②は読後の感想として不適切である。
 ③を日本語訳すると「屋上の庭園を造って蜜蜂が飛んでくることができるようにすれば、夜の間の屋上の表面温度も落ちて、熱帯夜も減るだろうに。」となる。段落(4)を見ると、都心の中の住民が屋上やベランダに花や木を植えることで、真夏の熱帯夜も我慢できるようになりそうだという期待が提示されている。③は、この期待に合致するものであり、読後の感想として妥当であると言える。
 ④を日本語訳すると「ビルの屋上やベランダに花と木を植えて養蜂をしてみたら、多様な生物が地球村で生きていくことにも寄与することができるんじゃないだろうか。」となる。段落(3)を見ると、農村での蜂蜜の生産者が急減して農村から蜜蜂が消えたことによって、農作物の生産量が減るとともに、植物や花の多様性も損なわれたという見方が示されている。この見方を裏返せば、蜂蜜の生産者が増加して蜜蜂が増えれば、生物の多様性が増すということになる。選択肢後半部分の「多様な生物が地球村で生きていくこと」とは、生物の多様性がある状態を指しているので、④は段落(3)で示された見方に合致しており、読後の感想として妥当であると言える。
 以上から、読後の感想として適当でないものは②である。
■47■→②

問3

 文章の小見出しを選ぶ問題。小見出しは、文章の内容をコンパクトにまとめて付けられるものである。したがって、文章の内容を端的に反映したものであることが本来は望ましい。しかし、センター試験のような選択肢式の問題では、そうした望ましい小見出しが付けられていない可能性もある。したがって、選択肢に挙げられた小見出しと、本文の内容に矛盾がないかどうかを検討して解答すればよいだろう。
 念のため、段落(4)・段落(5)の内容を簡単に振り返っておこう。
 段落(4)では、都市養蜂の広がりにともなってビルの屋上や壁面の緑化が進み、ヒートアイランド現象や熱帯夜が緩和されることへの期待が述べられている。
 段落(5)では、会費制による都市養蜂プロジェクトの活動と、その参加会員からの投資金による養蜂場の拡張、そしてビル屋上での植樹事業に関する雇用の創出が述べられている。
 この2つの段落はそれぞれ別のことを述べているので、これらをまとめて小見出しを付けるのは困難である(そもそもこの2つの段落をまとめること自体が適切なのかどうか、はなはだ疑問である)。だが強いてまとめるならば、〈都市養蜂によって生み出されたもの〉あるいは〈都市養蜂の波及効果の多面性〉というように、都市養蜂の普及以後のことが2つの段落で述べられていると言えよう。このことをふまえて選択肢を検討する。
 ①を日本語訳すると「都市養蜂がもたらした効果」となる。上述の〈都市養蜂によって生み出されたもの〉あるいは〈都市養蜂の波及効果の多面性〉という内容に近いと言える。他にこれよりも適切な選択肢がないかどうかを確認する。
 ②を日本語訳すると「都市養蜂が必要な理由」となる。これは、都市養蜂の普及の前提条件であり、都市養蜂の普及以後のことではないから不適切である。
 ③を日本語訳すると「都市養蜂と共同体」となる。段落(5)の内容には合致しているものの、段落(4)の内容を含んでいないので適切ではない。
 ④を日本語訳すると「都市養蜂と環境問題」となる。段落(4)の内容には合致しているものの、段落(5)の内容を含んでいないので適切ではない。
 以上から、最も適当なものは①であると判断できる。
■48■→①

【訳文再録】

(1) ソウルの鍾路にリンゴの木を植えてみようという歌がいっとき流行したことがある。しかしその歌が大いにヒットした30〜40年前、リンゴの木を植えたとしても、秋にリンゴの収穫をすることができただろうか。リンゴの花が実を結ぶことができるように、花粉を移してやるミツバチが都心から姿を消したために、おそらく容易ではないだろう。しかしもし今ソウルの都心のど真ん中である明洞にリンゴの木を植えたらどうだろうか。最近、都心の所々で養蜂が始まったために、秋になると明洞で収穫したおいしいリンゴを味わうことができるかもしれない。
(2) ミツバチを育てる人たちは、明洞だけでなく東京の都心である銀座でも次第に増えつつある。多くの反対にもかかわらず、ねばり強く養蜂事業を展開してきた結果、最近では銀座のビルの屋上で蜂の巣箱を簡単に見つけることができ、ミツバチが光を生産することができるように屋上に木や花を植える事業もともに進められている。都心で作られた蜂蜜は、都心にビルを所有する企業の援助を受けて、蜂蜜ビール、蜂蜜カクテル等に返信して都心のカフェで販売されているかと思えば、販売した利益金は無農薬栽培農家の支援金や地域の街路樹植樹、屋上庭園づくり、ミツバチの生態系維持などに使われている。
(3) 都心で養蜂を始めたのは、農薬の度を超した使用と気候の変化、および農村人口の高齢化などによって、農村の蜂蜜生産者が急激に減少したためだ。ミツバチにとっては、農薬は都市の排気ガスよりもさらに有害である。加えて、農村で養蜂する人々が減り、花を媒介するミツバチが不足して実を結ばなくなると、農作物の生産量はもちろん、植物と花の多様性も失われた。ミツバチが消えると、人類もまた4年を越えることもなく消えてしまうだろうという話もある。農村でのミツバチ減少の現象が、農作物の生産量減少につながり、人類の生存まで脅かし始めたということだ。(4) そうしたなか、都市の養蜂が多くの人の期待を集めて定着することができたのは、都市のヒートアイランド現象を弱める効果をもたらしたためである。ミツバチがもっと盛んに活動することができるように、都心の中の住民たちが屋上とベランダに花や木を植え始め、都心の屋上が次第に緑色に変わっていって、ビルの壁面とベランダが花で埋められた。真夏の熱帯夜も十分に耐え抜くことができるのではないかという期待が生まれ、都市の養蜂が注目を集めるようになったのである。
(5) 都市の養蜂は、都市の生活に疲れた都会人らの閉ざされた心を開いてやりもした。少ない金額でも会費を出した会員ならば、誰でも都市養蜂プロジェクトに参与することができ、蜂蜜を収穫したあとには、会員に、家族が1年間消費しても余りあるほどの蜂蜜を分け与えるという。会員等は、いっしょに蜂蜜ビールパーティーをするかと思えば、「ハニーバンク」を作ってその投資金で都市養蜂場を拡張しもした。ある都市では、ビルの屋上に木を植える事業に障がい者を雇用することで、都市の養蜂が仕事の口を増やすことにもつながったケースがある。
(6) もしかするとミツバチが人を害するのではないかと心配する人もときどき見ることはあるが、ミツバチは先に攻撃しない人を先に攻撃はせず、巣箱の作業をするときにも作業服さえ着ればまったく問題になることはないという。灰色の都市を緑色の都市に変えるだけでなく、ともに収穫した蜂蜜によって、さらにともに生きていく都市を作ってきた都市養蜂が、いくつかの都市ではなく地球村すべての都市に広がっていくことを夢見てみる。

2019年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C D・E
第3問 A B C
第4問 全設問
第5問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 여기! 問4・問5