中級の壁を乗り越えたい!

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【センター韓国語】2019年度・第6問・問4〜問5

第6問

問4

 本文中の特定の段落から読みとれる内容を選ぶ問題である。選択肢を短く区切って、本文中の記述と照らし合わせるとよい。
 ①は、「地域社会の活性化」という語句が本文中にないので判断に迷うが、会員制の都市養蜂プロジェクトが投資金を集めて都市養蜂を拡張したり、ビルの屋上の植樹事業で障がい者の雇用を創出したりしていることを、「地域社会の活性化」とまとめることは不可能ではない。他にこれよりも適切な選択肢がないかどうかを確認する。
 ②は、都市養蜂場で生産された蜂蜜の購入について述べているが、段落(5)では、「都市養蜂の会員」でない人が蜂蜜を購入できるかどうかは、述べられていない。したがって②は不適切である。
 ③は、「地域銀行からの投資が相次いだ」と述べているが、投資金は都市養蜂プロジェクトがつくった「ハニーバンク」に集まったものであり、「地域銀行」ではない。したがって③は不適切である。
 ④は、「障がい者の雇用を増やさなければならない」と述べているが、障がい者の雇用は、「ある都市」の事例として紹介されているだけであって、「増やさなければならない」といった見解は本文中には示されていない。したがって④は不適切である。
 以上から、最も適切なものは①である。
■49■→①

問5

 本文中の下線部の内容と一致するものを答える問題である。まずは下線部の表現の含意をとらえた上で、選択肢を検討するとよい。
 下線部aを日本語訳すると「灰色の都市を緑色の都市に」となる。「緑色」という表現は段落(4)に見えるように、都心のビルの屋上に植えられた花や木を指していると考えられる。そしてさらに、都心の緑化がもたらす効果までも含めて、「緑色の都市」という象徴的な表現が用いられていると見ることができる。
 下線部bを日本語訳すると「さらにともに生きていく都市」となる。これだけでは含意をとらえにくいので、下線部の直前・直後も含めると「蜂蜜によってさらにともに生きていく都市を作ってきた都市養蜂」となる。このことから、下線部bは(都市養蜂でとれた)蜂蜜によって作られるものであるとわかる。つまり、都市養蜂の蜂蜜が人々にもたらす影響なのであり、「ともに生きていく」という表現もふまえてさらに言い換えると、都市養蜂の蜂蜜によって生み出される人々の連帯(人々のつながり)という含意があると言える。
 では、選択肢を順に検討してみよう。
 ①をそれぞれ日本語訳すると、aは「屋上とベランダに花と木を植えること」、bは「障がい者の雇用拡大」となる。aについては段落(3)・段落(4)、bについては段落(5)に当てはまる記述がある。
 ②をそれぞれ日本語訳すると、aは「熱帯夜現象の克服の可能性」、bは「都市養蜂共同体の形成」となる。aについては段落(4)、bについては段落(5)に当てはまる記述がある。
 ③をそれぞれ日本語訳すると、aは「都市の生態系を生き返らせること」、bは「蜂蜜製品の共同開発」となる。aについては段落(3)、bについては段落(2)に当てはまる記述がある。
 ④をそれぞれ日本語訳すると、aは「都市の排気ガス削減」、bは「『ハニーバンク』設立の支援」となる。aの「排気ガス削減」については、本文中の記述はない。またbの「ハニーバンク」についても、投資金を集める仕組みとして作られたことは段落(5)で述べられているが、設立を支援するといった記述は本文中にはない。
 以上から、本文中に示されていないものは④である。
■50■→④

【訳文再録】

(1) ソウルの鍾路にリンゴの木を植えてみようという歌がいっとき流行したことがある。しかしその歌が大いにヒットした30〜40年前、リンゴの木を植えたとしても、秋にリンゴの収穫をすることができただろうか。リンゴの花が実を結ぶことができるように、花粉を移してやるミツバチが都心から姿を消したために、おそらく容易ではないだろう。しかしもし今ソウルの都心のど真ん中である明洞にリンゴの木を植えたらどうだろうか。最近、都心の所々で養蜂が始まったために、秋になると明洞で収穫したおいしいリンゴを味わうことができるかもしれない。
(2) ミツバチを育てる人たちは、明洞だけでなく東京の都心である銀座でも次第に増えつつある。多くの反対にもかかわらず、ねばり強く養蜂事業を展開してきた結果、最近では銀座のビルの屋上で蜂の巣箱を簡単に見つけることができ、ミツバチが光を生産することができるように屋上に木や花を植える事業もともに進められている。都心で作られた蜂蜜は、都心にビルを所有する企業の援助を受けて、蜂蜜ビール、蜂蜜カクテル等に返信して都心のカフェで販売されているかと思えば、販売した利益金は無農薬栽培農家の支援金や地域の街路樹植樹、屋上庭園づくり、ミツバチの生態系維持などに使われている。
(3) 都心で養蜂を始めたのは、農薬の度を超した使用と気候の変化、および農村人口の高齢化などによって、農村の蜂蜜生産者が急激に減少したためだ。ミツバチにとっては、農薬は都市の排気ガスよりもさらに有害である。加えて、農村で養蜂する人々が減り、花を媒介するミツバチが不足して実を結ばなくなると、農作物の生産量はもちろん、植物と花の多様性も失われた。ミツバチが消えると、人類もまた4年を越えることもなく消えてしまうだろうという話もある。農村でのミツバチ減少の現象が、農作物の生産量減少につながり、人類の生存まで脅かし始めたということだ。(4) そうしたなか、都市の養蜂が多くの人の期待を集めて定着することができたのは、都市のヒートアイランド現象を弱める効果をもたらしたためである。ミツバチがもっと盛んに活動することができるように、都心の中の住民たちが屋上とベランダに花や木を植え始め、都心の屋上が次第に緑色に変わっていって、ビルの壁面とベランダが花で埋められた。真夏の熱帯夜も十分に耐え抜くことができるのではないかという期待が生まれ、都市の養蜂が注目を集めるようになったのである。
(5) 都市の養蜂は、都市の生活に疲れた都会人らの閉ざされた心を開いてやりもした。少ない金額でも会費を出した会員ならば、誰でも都市養蜂プロジェクトに参与することができ、蜂蜜を収穫したあとには、会員に、家族が1年間消費しても余りあるほどの蜂蜜を分け与えるという。会員等は、いっしょに蜂蜜ビールパーティーをするかと思えば、「ハニーバンク」を作ってその投資金で都市養蜂場を拡張しもした。ある都市では、ビルの屋上に木を植える事業に障がい者を雇用することで、都市の養蜂が仕事の口を増やすことにもつながったケースがある。
(6) もしかするとミツバチが人を害するのではないかと心配する人もときどき見ることはあるが、ミツバチは先に攻撃しない人を先に攻撃はせず、巣箱の作業をするときにも作業服さえ着ればまったく問題になることはないという。灰色の都市を緑色の都市に変えるだけでなく、ともに収穫した蜂蜜によって、さらにともに生きていく都市を作ってきた都市養蜂が、いくつかの都市ではなく地球村すべての都市に広がっていくことを夢見てみる。

2019年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C D・E
第3問 A B C
第4問 全設問
第5問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 問1〜問3 여기!