中級の壁を乗り越えたい!

いつの日か「私は上級者です」と自己紹介できることを夢みながら、いろんな勉強に手を出している人(=私)のための、お勉強ブログ。仮開館状態での運用中です。

朝鮮語(韓国語)学習のための道具箱

韓国語でセンター試験を受けようかな、と思っている方。あるいは、そろそろ入門・初級レベルはクリアしたので、次の段階に進みたいと思っている方。
この記事は、そんな方々のために、試験問題以外の学習ツールを紹介しようというものです。もうちょっと具体的に言うと、

  • ハングル検定:準2級〜2級を受験したい人
  • TOPIK:上級(5級・6級)を取得したい人

というあたりの方々を想定しています。
なお、この記事は、出版事情その他により、今後も随時バージョンアップしていく予定です。

 

1. 辞典類

1.1. 朝鮮語→日本語辞典

いうまでもなく、最も使用頻度が高い辞典ですね。どんな言語でも、上達のためにはとにかくたくさん辞書を引くことです。
そのためには、気になることばがあればすぐに辞書を引けるよう、手の届きやすいところに常に準備しておくことが重要です。

①電子辞書か、紙の辞書か

朝鮮語(韓国語)の場合、電子辞書だと選択肢は事実上、カシオのEX-wordのみの「一択」状態です。

XD-SR7600 | 外国語 | 電子辞書 | CASIO

by カエレバ

 

私の場合、大昔の話で恐縮ですが、EX-wordに小学館朝鮮語辞典』が初めて収録された2006年のモデルを購入し、壊れて表示されなくなるまで使いました。

EX-wordシリーズは画面も見やすいですし、コンパクトで使いやすいとは思います。
また、新しいモデルになればなるほど、全文検索や例文の検索など、紙の辞書ではできない検索機能を使えることも魅力でしょう。
それに、最近のモデルでは小学館朝鮮語辞典』に加えて、小学館『日韓辞典』や동아『새국어사전』も収録していて、コンテンツとしても魅力的です。

とはいえ、それでも私は、やはり紙の辞書に使い慣れておくことが重要だと思います。それは、辞書の並び順(排列)になじむためです。
辞書の並び順、いわゆる가나다順は、日常のさまざまな場面で使われています。とくに多いのは、人名・地名などのリストです。

ずらっと並んだ人名のリストから、あなたが探す人をすぐに見つけ出すことはできますか? 時には、バスや列車の行き先リストも、辞書と同じ가나다順になっていることがあります。あなたが行きたい場所をすぐに見つけられますか?
さらに学習が進めば、あなた自身がリストを作る場面も出てくるはずですが、正しい並び順でリストを作れますか?

こう考えると、朝鮮語(韓国語)の場合、紙の辞書をしっかり引く経験をして、辞書の並び順に身体をなじませておくことも、重要な勉強なのだとわかっていただけるでしょう。
もし可能なら、電子辞書をすでに使っているという方も、その電子辞書は外出時に使うことにして、ふだんは紙の辞書を使うことをおすすめします。

②一般の辞典

さて、一般的な朝鮮語(韓国語)→日本語の辞典といえば、現在では小学館『韓日辞典』を選べばほぼ間違いないでしょう。

小学館 韓日辞典

油谷 幸利/門脇 誠一 小学館 2018年12月07日
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ただし、小学館『韓日辞典』は発売からまだ日が浅く、2019年夏現在では、電子辞書にもまだ収録されていないようです。
したがって、この辞書のもととなった小学館『朝鮮語辞典』を選択するのも、悪くないチョイスです。古本などではすこし安く出回っているのでは、と思います。

朝鮮語辞典

門脇 誠一/高島 淑郎 小学館 1993年01月01日
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これ以外の辞典は、収録語数が少ないので、中級以上の学習には向いていないと思います。
英語や中国語だと、この大きさの辞書の選択肢が複数あるので、やはりうらやましいですよね……。

③文法・語尾・助詞の辞典

センター試験だと、第2問のC・D・Eあたりで、文法・語法を問う問題がたくさん出題されます。ハングル検定やTOPIKでも、前半〜中盤で同様の設問が出されますね。
これらを網羅的に学習するのは難しいことですが、自分で問題を解いた際に、答え合わせをするだけでなく、文法辞典を引いておけば、理解が深まります。

現時点で最もおすすめの文法辞典は、李姫子・李鐘禧(五十嵐孝一・申悠琳訳)『韓国語文法語尾・助詞辞典』(スリーエーネットワーク)ですね。
この辞典は、説明が丁寧でわかりやすいですし、『韓日辞典』などでは意外にわかりにくい助詞についても収録しているところがポイントです。

韓国語文法語尾・助詞辞典

李姫子/李鍾禧 スリーエーネットワーク 2010年02月
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次点は、韓国・国立国語院『標準韓国語文法辞典』(アルク)。こちらも説明はわかりやすいのですが、助詞が含まれていないのと、検索のしかたにややクセがあるので、使いこなすのには慣れが必要です。

標準韓国語文法辞典

大韓民国国立国語院/梅田博之 アルク千代田区) 2012年11月
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また、次点の『標準韓国語文法辞典』と甲乙つけがたいところですが、白峰子(大井秀明訳)『韓国語文法辞典』(三修社)もよい辞典です。新装版になって少しお手頃になりました。説明は丁寧なのですが、前の2冊に比べると項目数の少なさが気になるところです。2冊目として使うなら、非常に便利ですけれどね。

新装版 韓国語文法辞典

白峰子/大井秀明 三修社 2019年07月12日
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1.2. 朝鮮語朝鮮語辞典

『朝朝辞典』『韓韓辞典』、あるいは朝鮮・韓国における『国語辞典』です。
率直に言えば、中級レベルでは、この辞典を活用する機会はそれほど多くないと思います。すでに電子辞書を持っている方は、その機種に入っている辞典を使えばよいでしょう。

もっとも、調べたい単語が『韓日辞典』などに載っていない場合、ウェブ上の『国語辞典』を引くとわかる場合もあります。便利なのは下記のサイトあたりでしょうか。

NAVER辞典

https://ko.dict.naver.com/

▼国立国語院標準国語大辞典

https://stdict.korean.go.kr/main/main.do

1.3. 日本語→朝鮮語辞典

朝鮮語(韓国語)で作文する際に、あると便利な辞典です。TOPIKを受験する方は、最後の作文問題の練習が必要ですね。
事実上、小学館『日韓辞典』の一択状態と言ってよいと思います。

小学館日韓辞典

門脇 誠一/高島 淑郎 小学館 2008年09月17日
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ちなみに、朝鮮語(韓国語)の文章を読解・翻訳する際にも、『日韓辞典』を応用できる可能性があります。
笠島準一『英語辞典を使いこなす』(講談社学術文庫、2002年:品切れ)のなかに、英文読解の際に和英辞典を活用する方法が紹介されていますが、これはなかなか「目からウロコ」です。意味はなんとなくわかるんだけど、日本語で説明するのが難しいんだよね…というときに、和英辞典が使える、というわけです。
この方法で『日韓辞典』を使う、というやり方は、私はまだきちんと試していないのですが、翻訳で困った際には役立ちそうなテクニックです。

英語辞典を使いこなす

笠島準一 講談社 2002年03月
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2. 文法書

2.1. 基本は各自の教科書

朝鮮語(韓国語)の文法を、学習者向けに体系的に解説した本(しかも、日本語で書かれた本)は、それほど多くありません。
受験英語や受験古文で使うような文法書は、朝鮮語(韓国語)では存在しないと考えておいてよいと思います。

したがって、基本になるのは、みなさんご自身が今まで使ってきた教科書です。教科書の本文とは別に、文法説明の箇所もあるはずです。
問題を解いていて間違えた、あるいは答えがわからなかったというときに、その文法事項に該当するページをさっと探し出せるよう、教科書の目次や索引をうまく活用できるようにしましょう。

2.2. 詳しい解説が必要な場合

とはいえ、教科書の説明だけでは簡潔すぎて、疑問点を十分に解決できない場合があります。その場合は、やはり文法をしっかり説明した本を参照することが必要になるかもしれません。
手堅いところでは、すこし古い本ですが、梅田博之『スタンダードハングル講座 2 文法・語彙』(大修館書店)が役に立つでしょう。

スタンダードハングル講座(2)

梅田博之 大修館書店 1991年07月
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ただし、ふだん使っているテキストで、用言(動詞・形容詞など)の活用のしかたについて、「語基」という用語を使って説明している場合には、注意が必要です。
「語基」という用語での説明のしかたに慣れている人は、ほかの方法での文法説明を読み解くためには技術(というか、ある程度以上の知識)が必要なのです。
そのため、文法書を使うよりは、小学館『韓日辞典(朝鮮語辞典)』の付録部分にある文法説明を利用した方がよい場合があります。

 

3. 発音解説

3.1. やはり基本は教科書

センター試験でも、ハングル検定・TOPIKでも、最初の方の問題では、ハングルの綴りと発音の関係が問われます。
朝鮮語(韓国語)は、文字表記と発音の関係が複雑なので、この点についてもしっかりと学習しておく必要があります。
この点についても、体系的に解説した本は少ないので、まずは使い慣れた教科書を活用しましょう。「発音変化」といった項目で説明されているはずです。
なお、野間秀樹編著・金珍娥著『韓国語学習講座 凜RIN 1 入門』(大修館書店)では、付録で発音変化をまとめて説明しており、便利です。

韓国語学習講座「凛」(1)

野間秀樹 大修館書店 2012年09月
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3.2. 音の変化を知りたい場合

そのほか、稲川右樹『ネイティブっぽい韓国語の発音』(HANA)は、イラストを交えたわかりやすい説明でまとめています。音声データもあるので便利です。

ネイティブっぽい韓国語の発音

稲川右樹 HANA 2019年01月
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まとめ

以上、辞典類・文法書・発音解説の本を紹介してきました。
学習用の本としては、このほかにも単語帳(単語集)や背景知識などに関わる本もあるかとは思いますが、それらについては、また改めて紹介したいと思います。