【センター韓国語】2017年度・第2問AB

第2問

Ａ

　例文の空欄にあてはまる動詞を選ぶ問題である。日常生活上の決まった動作や慣用表現などのように、ある程度「おきまり」となった語句の組み合わせ（コロケーション）が問われている。つまり、単語1語を単独で暗記するのではなく、「その単語はどのような場面で、他のどんな単語と一緒に使われるのか」を意識した学習が必要である。単語帳などで学習する場合には、訳語を暗記するだけでなく、例文にも必ず目を通しておくことが重要である。

問1

【訳文】
・あまりにもおもしろくて、時間が【ａ＝過ぎる】ことに気づきませんでした。
・みなさんに被害が【ｂ＝行く（＝及ぶ）】ことがないようにします。

　ａの「時間が過ぎる」、ｂの「被害が及ぶ」の両者に共通する動詞は②の가다である。ちなみに、①の나다も「시간이（時間が）」「피해가（被害が）」に続けて用いることができる動詞だが、「시간이 나다」という表現は〈暇ができる〉という意味になり、後続の〈気づかない〉という内容につながらないため不適切である。よって正解は②。
■9■→②

問2

【訳文】
・前髪を少し短く【ａ＝かけるので】幼く見えます。
・窓にカーテンを【ｂ＝かけるので】部屋の雰囲気が変わりましたね。

　ａの「前髪を（短く）かける」、ｂの「カーテンをかける」の両者に共通する動詞は②の치다である。①の달다は〈（すだれ、提灯、勲章などを）ぶら下げる、垂らす〉という意味だが、取り付けてぶら下げる意味があり、前髪には使えない言葉である。③の자르다は〈（長いものを）切る〉意、④の깎다は〈（短いものを）切る、けずる〉意だが、いずれもｂの〈窓にカーテンを〉という表現にはつながらないので不適切。よって正解は②。
■10■→②

Ｂ

　用言（動詞・形容詞など）の活用のしかたを問う問題である。韓国語の用言は、後に付く語尾によって異なる形に活用する。基本的には、用言の語幹（基本形から다を取ったもの）が母音で終わるか、子音で終わるか、また語幹に用いられている母音が陽母音（오・아など）であるか、陰母音（어・우など）であるかによって、活用のしかたが決まっている。ただし、語幹の末尾によっては、異なる活用のしかたをするもの（変則活用）もある。
　この種の問題では、変則活用に関連する出題がほとんどである。変則活用のルールを正しく理解できているか、変則活用にもあてはまらない例外となる語を識別できているかが問われる。これらのポイントに注意しておきたい。

問1

　-는군요（〜ですねえ）という語尾の付き方を問う問題である。-는군요は、動詞の語幹に付く語尾であり、形容詞の場合は-는군요ではなく-군요が用いられる。
　アの좋아하다（好む）は動詞であり、語幹に-는군요が付き、좋아하는군요となるので、正しい。イの겸손하다（謙虚だ）は形容詞であり、語幹に-군요が付き、겸손하군요となるので、誤りである。ウの맛없다（まずい）は形容詞であり、語幹に-군요が付き、맛없군요となるので、誤りである。
　以上から、ア＝正、イ＝誤、ウ＝誤となるので、正解は④。
■11■→④

問2

　-(으)려고（〜しようと）という語尾の付き方を問う問題である。-(으)려고は動詞の語幹に付く語尾であり、母音で終わる語幹には-려고が、子音で終わる語幹には-으려고が付くのが原則である。
　ア몰다（［車などを］運転する）は語幹がㄹで終わるㄹ語幹の動詞である。ㄹ語幹では、ㄴまたはㅅで始まる語尾が付く場合のみ語幹からㄹが脱落する（例：몰＋는→모는）。しかし-(으)려고が付く場合には、母音で終わる語幹と同じ形-려고が付き、몰려고となる。よってアは正しい。
　イ낳다（産む）は語幹がㅎで終わる動詞だが、規則活用の動詞である。語幹は낳となり子音で終わっているので、-으려고が付き、낳으려고となる。よってイは誤りである。
　ウ짓다（作る）は語幹がㅅで終わるㅅ変則活用の動詞である。語幹は짓となり子音で終わっているので、-으려고が付くが、その際語幹のㅅがなくなり、지으려고となる。よってウは正しい。
　以上から、ア＝正、イ＝誤、ウ＝正となるので、正解は③。
■12■→③

2017年度の問題・解説へのリンク

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