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【センター韓国語】2017年度・第5問本文全訳

第5問

【訳文】

最近、韓国のいくつかの地方都市で新たに「電車(=路面電車)」を導入する計画があるという。電車とは、道路に設置した軌道の上を走る交通手段を意味することばで、既存の(=すでにある)電鉄とは異なる。事実、韓国でも久しく前にはソウル、釜山などに電車が走っていた。いっときソウル市内だけでも計40キロに達する路線が運行され、それこそ市民の足として利用された。しかし、道路の拡張や自動車の普及、地下鉄建設などによって、電車は足跡を隠した(=姿を消した)。そんな電車を21世紀に再び復活させようというのである。
 (A=そうかと思えば)自転車に乗ることを政策的に推進している都市もある。あちこちに自転車専用道路を新たに整備して、自転車を立てておく(=止めておく)場所も市内の何箇所にも設置している。また、公営自転車貸与(=レンタサイクル)サービスを実施して、市民が市内のあちこちに設置された無人貸与機を利用し、いつでも手軽に自転車を借りて乗ることができるようにしている。〈ア〉このような自転車乗り推進政策に対し、市民も80%程度が肯定的に評価しているという。そしてその影響で、自転車を購入して出勤・退勤する人々も持続的に増えている(=増え続けている)という。
 この2種類の事例の背景には、「圧縮都市」という概念がある。圧縮都市とは、あちこちに散らばっている都市の主要機能を市内中心部の狭い空間に集中させ、コンパクトに造成した都市をいう。〈イ〉すなわち、住居、商店、会社のような基本的な施設を中心部に集め、人々が徒歩や自転車、電車などによって近距離内で日常生活をすることができるように作った都市を言うのである。先に言及したように、電車を新たに導入したり、自転車乗りを政策的に推進するのは、圧縮都市を作り上げる上で必要な一部分だと言うことができる。
 近代以後、地方の人々は相次いで都市に移住し、都市はそれだけ拡大した。また自動車の普及で移動が容易になり、都市の外形的な膨張は引き続き進行している。〈ウ〉このように、都市の膨張は近代社会では必然的なものであったが、同時にいくつもの問題点を招いてきたこともまた事実である。自動車が排出するガスによる環境破壊、都市郊外を分別なく開発することなどが代表的である。そのうえ、都市が拡大して人々が市内中心部から周辺部に移住した結果、かえって中心部に空洞化現象が起こりもした(=空洞化現象さえ起こった)。また自動車なしでは拡大した都市の中を移動することも大変であるために、自動車を運転できない高齢者は相対的に不便を強いられている。このような都市がかかえているいくつかの問題点を解消するための代案として注目を受けるようになった(=注目されるようになった)のが、この圧縮都市の概念である。
 もちろん【48=圧縮都市の導入】に問題がないわけではない。すでに建設された都市の周辺部をどのようにするのかが代表的な問題である。周辺部に建設されたいくつもの施設を中心部に移動させることは容易ではなく、かといってそれを維持することもまた容易ではないためである。そしてその間、自動車中心社会になじんだ市民たちの意識が容易に変わり得るかということも、大きな問題として残っている。
 (B=それにもかかわらず)都市問題の解決策として圧縮都市を導入することで、得ることができる効果は大きいはずであり、またほかの付随的な効果も予想される。〈エ〉そして余った時間を活用して、人々が文化的な生活をさらに楽しむこともできるだろう。狭い都市空間の中でのんびりした余裕ある暮らしを楽しむことができることも、圧縮都市を導入することで生まれる長所だと言うことができる。このように、圧縮都市は、都市の形態だけでなく人々の生活スタイルまでも変えるものとして期待される。

2017年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C D〜F
第3問 A B C
第4問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第5問 여기! 問1〜問3 問4・問5