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【センター韓国語】2018年度・第3問A

第3問

 第3問のAは、短い対話文を読んで空欄に入る表現を選ぶ問題である。
 まず対話文では、口語表現が多用されている上に、親しく対等な関係で用いられるパンマルという文末表現が中心である。文末が主に요で終わる丁寧な形だけでなく、パンマルの文体に慣れることが必須である。
 また、くだけた対話文ならではの間接的な表現(隠喩表現やあてこすりの表現など)、慣用句も多用され、それらが設問のカギになっていることが多い。対話の一文一文について、誰が誰に向けてどういう意図で話しているのかを意識することが重要である。

問1

A:少しも仕事の進行がだめだね(=ちっとも仕事が進まないね)。
B:ほんと。やってもやっても終わりが見えない。
A:■29■
B:じゃあぼくはどうすれば(いいのか)。そんなこと言わないでもう少し我慢してみよう。

①そうだよ、早く始めればよかったものを(そうしなくて後悔してる)。
②とりあえず急ぎの仕事から先に終わらせよう。
③きみの作業が終わったら、ぼく(の作業)をちょっと手伝って。
④ぼくはそのままここであきらめてしまいたいんだけど。

 空欄の前の対話からは、AとBの2人で一緒にしている仕事が、順調に進まないという状況を読み取ることができる。そして空欄の後からは、Bが直前のAの言葉に抗議していることがわかる。BはAに「もう少し我慢」するように言っているのだから、Aは空欄の箇所で、〈(進捗しない仕事に)これ以上我慢できない〉といったことを発言しているとわかる。つまりAは、〈仕事を我慢することをやめてあきらめたい〉と言っているので、正解は④。
 ①は仕事の着手が遅かったことへの後悔の言葉であり、直後のBの「じゃあぼくはどうすれば(いいのか)」という言い返しの言葉にはつながっているように見える。しかし、その後の「もう少し我慢してみよう」というBの言葉とはかみ合わないので不適切。②③はどちらも仕事の進め方への現実的な提案の言葉だが、直後のBの言葉とはつながらない。
■29■→④

問2

A:博物館がイベントの期間だから、5時以降に行けば入場料が2000ウォン割引になるって。
B:そうなの? ところで2000ウォン節約しようって(いうので)5時まで待たなきゃいけないの?
A:■30■ 2000ウォン(程度の金額)はお金(と呼ぶに値するもの)じゃないの?

①それどこなんだ(=そんな言い方がどこにあるっていうの[いや、どこにもない])。
②それは何だったっけ?
③それをどうしようって(言うのか)。
④それはいつなの?

 空欄の前の対話からは、Aが〈5時以降に博物館に行けば割引になる〉という情報を提供したのに対し、Bは〈2000ウォンを節約するために5時まで待ちたくはない〉という意思表示をしていることがわかる。
 一方、空欄の後のAの言葉は少し解釈が難しいが、〈2000ウォンはお金ではない〉とは〈たった2000ウォン程度のはした金は、お金と呼ぶほどの価値もない〉という意味であると考えればよい。つまり、〈2000ウォンはお金ではないのか?〉というAの言葉は、〈きみは2000ウォン程度ではお金として大事にすべきだと思わないのか〉と、Bの言葉に対して抗議しているのだと解釈できる。すると、その直前にある空欄部分も同様に、Bの言葉に対する抗議の意を表したものだと考えられる。
 選択肢を見ると、①②は그게(=그것이[それが])、③④は그건(=그것은[それは
])で始まっており、〈それ〉とは直前のBの言葉を指していると考えるべきである。①は〈それはどこなのか〉という疑問文のように見えるが、文末が「?」ではなくピリオドであることにも注意しよう。つまり①は、知らないことを相手に尋ねる質問の文ではなく、疑問文の形をとって相手に問い詰めたり抗議したりする修辞疑問(または反語)の文なのである。つまり、〈そんな言い方がどこにあるというのか(どこにもない)〉→〈そんな言い方はないだろう〉という抗議の意を表した言葉である。よって正解は①。
 ②は、文末が「?」であり、知らないことを相手に尋ねる質問の文となっていて、対話としてかみ合っていないので不適切。③は相手に対する抗議の意を表す表現ではあるものの、〈それ〉の指示内容と〈どうしようって〉という抗議の内容がかみ合っていないので不適切。④も②と同様に知らないことを相手に尋ねる質問の文となっていて、対話としてかみ合っていないので不適切。
■30■→①

問3

A:おや! ズボンのジッパーが上がらないよ。
B:■31■ 夜ごとに(=毎晩毎晩)そんなに(=あんなに)食べまくってたから。
A:じゃあ、腹が減って寝付けないのはどうすればいいんだ。
B:あーあ。運動でもしなさいよ。むだに新しい服を買うって言わないでさ。

①新しい服だからそうなんだろう。
②そんなはずがないだろう。
③そんなことだろうと思った。
④とてもおなかが空いていたみたいだね。

 空欄の前では、Aの「ズボンのジッパーが上がらない」ということだけが示されている。その理由は、空欄の後のBの言葉から、〈(Aが)毎晩食べまくっていたから〉だとわかる。つまり、Aは夜遅くにものを食べていて太ってしまったために、「ズボンのジッパーが上がらない」状態になったのだとわかる。したがって、「ジッパーが上がらない」のは、服の状態のせいではない。
 また、空欄の後の対話からは、Aの〈夜ごとに食べまくる〉〈運動をしない〉という生活の様子から、Bは〈Aが太ってしまっても当然だ〉と考えていることがわかる。空欄部分にも、このBの考え方に合致する言葉が入ると考えられる。正解は③。
 ①は、ジッパーが上がらない理由を〈新しい服だから〉と服の状態のせいであるととらえており、不適切。②は、〈ジッパーが上がらない〉という事実そのものをBが認めていないことを意味する。しかしBは〈Aが太ってしまっても当然だ〉と考えているのだから、これでは不適切である。④は、空欄直後の〈(Aが)毎晩食べまくっていた〉という事実の理由を説明したものである。しかし、これでは次のAの〈腹が減って寝付けないのはどうすればよいのか〉という言葉につながらないので不適切である。
■31■→③

問4

A:こんな(ことがあるなんて)。今日、洗濯は(全部)すっかりし(てしまっ)たんだね。
B:■32■
A:うん、だから後で出て行くときに、窓を閉めるのを忘れないで。

①(広げて)干しておけばすぐに乾くよね?
②どうして? にわか雨でも降るって?
③終わったら窓をちょっと開けてちょうだい。
④一緒に(洗濯を)するからすぐにできるじゃない。

 空欄の前からは、(おそらくため込んでいた)洗濯をBが全部してしまった、という状況がわかる。なお、冒頭の「이런」は、ピリオドが付いて文が終わっているので、感嘆文であるとわかる。つまり、〈洗濯がすっかり終わっている〉という状態を見て、Aは〈おやおや、こんなことが〉と驚いているのである。したがって、空欄には、Aの驚きの言葉を聞いたBの返答が入る。
 また、空欄の後を見ると、Aは「그러니까(だから)」と言っている。つまり、「だから」の前にある空欄の中には、AがBに〈窓を閉めてほしい〉と頼んでいる理由が述べられているとわかる。
 選択肢を見ると、②は〈(天気予報で)にわか雨でも降るって(言っているの)?〉という意味であり、洗濯を済ませたことに驚いているAに、驚きの意味を尋ねる文脈に合致している。また、窓が開いている状態では雨が降ると室内が濡れてしまうので、そうならないようにAが〈窓を閉めてほしい〉と頼んでいる、というように文脈が正しくつながる。よって正解は②。
 ①は、空欄の後でAが〈窓を閉めてほしい〉と言っている理由につながらないので不適切。③は、BがAに〈窓を開ける〉ことを依頼しているが、これも空欄の後でAが〈窓を閉めてほしい〉と言っている理由につながらないので不適切。④は、AとBが一緒に洗濯をしているということになるが、これでは空欄の前でAが驚いている理由も不明確だし、空欄の後でAが〈窓を閉めてほしい〉と言っている理由にもつながらないので不適切。
■32■→②

2018年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C D〜F
第3問 여기! B C
第4問 全設問
第5問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5