中級の壁を乗り越えたい!

いつの日か「私は上級者です」と自己紹介できることを夢みながら、いろんな勉強に手を出している人(=私)のための、お勉強ブログ。仮開館状態での運用中です。

【センター韓国語】2018年度・第3問B

第3問

 第3問のB・Cは、やや長い会話文を読んで答える問題である。BまたはCの一方が2名の会話、もう一方が3名以上の会話となることが多いが、2018年度はB・Cともに3名の会話からの出題である。
 ちなみに、仲間同士での名前の呼び方について確認しておく。名前が母音で終わる場合はとくに気にする必要はないが、子音で終わる(パッチムがついている)場合は、이を付けて呼ぶ(例:철수→そのまま、소현→소현이)。また、相手に直接呼びかけるときは、名前が母音で終わる場合は야、子音で終わる場合は아を付ける(例:철수→철수야、민준→민준아)。

【訳文】

チョルス:ミンジュン、宿題やった?
ミンジュン:宿題? あ、読書感想文、うっかりしてた!
ソヒョン:それ、ただ何でも(適当に)読んで書いたんじゃだめなの、知ってるでしょ?
ミンジュン:どういうこと?
ソヒョン:あなた、先生の言葉をちゃんと聞いてなかったのね。映画に作られた(=映画化された)小説を探して読むんじゃない。
ミンジュン:映画に作られたもの?
チョルス:うん、小説だけを読んでもいいんだけど、先生が小説と映画を比較して書いたら点数をもっと(プラスして)くださるっておっしゃってた。ぼくは小説から(先に)読んでいるんだけど、その内容をどうやって映画に作ったのか、もう(早くも)期待できるなあ(=今から楽しみだなあ)。
ミンジュン:ところで小説を読んだ後に映画を見ると、ほとんどはがっかりするじゃない? 省略された内容も多くて、登場人物の数が減ったりもするじゃない。
チョルス:そうではあるんだけど、映画を先に見たら映画に出てきた俳優のイメージが消えなくてさ。ソヒョン、きみはどうするつもり?
ソヒョン:さあね、いま話を聞いたら、どうやら映像として受け取った情報は残り続けるみたいね。やっぱり私は■33■。
ミンジュン:そう? ぼくはとりあえず全体的な内容を把握して小説を読むのがよさそうだけど……。時間がなければ映画だけ見て書かなきゃ。なーに。
チョルス:ほんとにおまえらしい。だけどたぶんすぐにばれちゃうよ。もしぼくと同じもので書くのなら、いま読んでる本を貸してあげるから、映画を見終わったら言って。
ミンジュン:ほんと? ありがとう。じゃあ、早く映画から見なきゃいけないな。

問1

①映画に出て来た俳優のイメージと比較しながら小説を読みたい
②登場人物のイメージを自由に想像しながら本を先に読むつもり
③映画を先に見た後でどの部分が省略されたのかを確認したい
④映画で印象が深かった部分を小説で一度確認してみるつもり

 空欄に適切な言葉を入れる問題である。
 まず問題文全体の内容をとらえておくと、読書感想文の宿題についての3人の生徒の会話である。そして、感想文の題材として映画化された小説を読むことが求められているが、空欄の前後では、小説と映画のどちらを先に見るつもりかが話し合われている。
 まずチョルスは、先に小説を読み終えたという。その選択の理由は、「映画を先に見たら、映画に出て来た俳優のイメージが消えない」から、というものである。これをふまえてソヒョンの意見が述べられた箇所に、空欄がある。
 ここで空欄の後を見ると、ソヒョンの意見を聞いたミンジュンが、「とりあえず全体的な内容を把握して小説を読むのがよさそう」という意見を述べている。つまり、〈先に映画を見て全体的な内容をとらえてから、小説を読むのがよい〉という意見である。ミンジュンはソヒョンの意見に対して疑問を呈しているのだから、ソヒョンの意見はミンジュンの意見とは対立するものだと考えられるだろう。したがって、ソヒョンは〈先に小説を読むのがよい〉という意見であると考えられる。
 また、空欄の前のソヒョンの言葉を見ると、ソヒョンは「映像として受け取った情報は残り続ける」点、言い換えれば〈映画を見たときの印象やイメージが、見終わった後にも残り続ける〉点を重視しているとわかる。つまりソヒョンは、〈映画で見たイメージが消えない〉状態で小説を読むことを避けるために、〈(映画を見るよりも)先に小説を読むのがよい〉という意見なのである。これに合致するものは②。
 ①③④は、いずれも〈先に映画を見る〉という意見であり、上で見たようなソヒョンの意見とは異なっている。
■33■→②

問2

 本文の内容に一致するものを選ぶ問題である。選択肢を順に検討する。
 ①を日本語訳すると「ソヒョンは、宿題を忘れてしまったチョルスに詳しい内容を教えてやった」となる。宿題の内容を忘れていたのは、チョルスではなくミンジュンなので、誤っている。
 ②を日本語訳すると「小説と映画に出てくる登場人物の異なる点について書けば、追加の点数をもらうことができる」となる。宿題の評価で追加の点数を得る条件は、小説と映画を比較して書くことである。「登場人物」に限定して違いを述べなければならないわけではないので、誤っている。
 ③を日本語訳すると「チョルスは本も読んで映画も見て、感想文だけ書けばよい状態だ」となる。チョルスは、本文の時点では小説を読み終えて、まだ映画を見ていない段階なので、誤っている。
 ④を日本語訳すると「チョルスは、映画のイメージが小説を読むときに影響を及ぼすと考えている」となる。これは「映画を先に見たら映画に出てきた俳優のイメージが消えなくて」というチョルスの言葉に合致している。
 ⑤を日本語訳すると「ミンジュンは、全体的な内容を把握するために映画を先に見ることにした」となる。これは「とりあえず全体的な内容を把握して小説を読むのがよさそう」「早く映画から見なきゃいけない」というミンジュンの言葉に合致している。
 ⑥を日本語訳すると「チョルスは、ソヒョンに自分が持っている本を貸してやることにした」となる。チョルスは、ミンジョンに本を貸すことにしたので、誤っている。
 以上から、本文の内容に一致する選択肢は④⑤である。
■34■・■35■→④-⑤(順不同)

2018年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C D〜F
第3問 A 여기! C
第4問 全設問
第5問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5