中級の壁を乗り越えたい!

いつの日か「私は上級者です」と自己紹介できることを夢みながら、いろんな勉強に手を出している人(=私)のための、お勉強ブログ。仮開館状態での運用中です。

【センター韓国語】2019年度・第2問C

第2問

 空欄にあてはまる語句を答える問題。ここでは、文法・語法に関して、とくに日本語と混同しやすいものが多く問われているほか、慣用表現もよく出題される。

問1

【訳文】歌を終えた歌手は、ファン【に】向かって手を振りました。

 「〜に向かって」という表現が問われている。日本語では助詞として「に」を用いるが、韓国語では「을/를 (향해서)」を用いるので、正解は①。日本語からの類推で②や④と答えないように注意しよう。
■13■→①

問2

【訳文】大きな間違いをして、先生に合わせる【顔が】ありません。

 日本語の「顔」に当たる語が問われている。③にある낯と④にある얼굴は、どちらも「顔面」という意味と「体面・面目」という意味を持っているが、「体面・面目」といった比喩的・象徴的な意味での「顔」としては、どちらかというと낯のほうがよく使われる。「合わせる顔がない」も、낯を用いて「볼 낯이 없다」と表現するのが一般的であり、この問題では、謙譲語を用いて볼を뵐と表現している(뵐は、보다の謙譲語である뵙다が変化した形の動詞뵈다の語幹にㄹがついた形)。よって正解は③。①は「気分が」、②は「心情が」という意味で、文脈に合わない。
■14■→③

問3

【訳文】【どうせ】やるのなら、一所懸命にやらなければ。

 空欄にあてはまる副詞を答える問題。文頭に副詞がある場合、しばしば後続部分に呼応する表現が続く。ここでも「(どうせ……なら)」という呼応表現が見られる。つまり、空欄の後の「(やるのなら)」という表現をふまえて選択肢を選ぶことになる。正解は④の「이왕(以往)」。①の「하필(何必)」は、「もしかして・ひょっとして」という意味で、やはり「……なら」という表現と呼応するが、文脈に合わない。②の「오직」は、「(ただ……だけ)」という呼応表現を作る副詞で、やはり文脈に合わない。③の「한창」は「盛りの時期」を意味する名詞として用いられるほか、副詞としては「さかんに(……する)」という意味を持つ。③もやはり文脈に合わない。
■15■→④

問4

【訳文】雨が止んだから、傘は【たたんで】カバンに入れろ。

 「(傘を)たたむ」という表現が問われている。「(傘を)差す」は(우산을) 쓰다というが、このほかに「(傘を)開く・広げる」は(우산을) 펴다ともいう。一方、「(傘を)たたむ」は(우산을) 접다と表現する。正解は②。접다は「折ってたたむ」という意味で、布や紙などをたたむ場合にも、机や椅子などを折りたたむ場合にも用いる。ちなみに「折り畳み式の傘」は접는 우산という。①の줄여서(줄이다)は「縮めて」という意味で、文脈に合わない。③の닫아서(닫다)は「(扉などを)閉めて」という意味、④の꺾어서(꺾다)は「(棒状のものを)折って」という意味で、いずれも傘をたたむ意味には用いない。
■16■→②

問5

【訳文】こいつは、指先一つ【ぴくりとも】しないで、タダでもらい食いしようとするんだね。

 擬態語の知識が問われている。ここでは、〈何もしない〉ことを象徴的に示した「指先一つ動かさない(=身体のほんの小さな一部分でさえ、少しも動かそうとしない)」という表現であることをとらえるのがポイント。指先を一瞬だけかすかに動かす「ぴくりと」という表現が望ましく、これに当たる④の까딱が正解。①は「ぎょっと」驚く様子、②は居眠りやお辞儀で首などを「こっくりと・ぺこりと」させる様子、③は何かを気づかれないように「こっそりと」する様子を表す語である。③が紛らわしいが、슬쩍は行為の大きさよりも〈他人に知られないようひそかに〉という意味が強く、ここでの文脈にはあてはまらない。
■17■→④

問6

【訳文】その人は、それを【捨てることはあっても】、私にくれるなんてことはなかったな。

 〈……しこそすれ(=することはあっても)〉という慣用表現が問われている。-면 -ㅆ지というイディオムで覚えておくとよい。正解は②。それ以外のものは、버렸지との呼応関係でこの文脈に合う意味を表現することはない。
■18■→②

問7

【訳文】一所懸命に【働くと言っていたのに】、いまだにぶらぶらしているんだね。

 語尾のニュアンスの理解が問われている。各選択肢を日本語訳すると、①は「働こうと」、②は「働いたので」、③は「働くと言っていたのに」、④は「働くぞと」という意味になる。文末にある「빈등거리다(ぶらぶらしている[=働いていない、職に就いていない]」という語がやや難しいが、その前に「아직까지(いまだに)」とあることから、文の前半部の〈一所懸命に働く〉という状態が、まだ実現していないというつながりを推測できるはずだ。この文脈に合致するものは、③のみである。①や④も文脈に合致しそうに見えるかもしれないが、これらは〈(……と)言ったけれども・挑戦してみたけれども〉のように、動詞句を補わなければ正しい文脈にならないので、不適切である。
 なお、語尾のニュアンスについて学習する際には、一般の韓国語辞典(朝鮮語辞典)に加えて、「文法辞典」と呼ばれる辞典も併用すると、詳細な説明や例文に目を通すことができるので有益である。
■19■→③

問8

【訳文】【大器晩成】だって(いうから)、その人はのちのち大物になるだろうね。

 四字熟語の知識が問われている。この種の問題では、該当する四字熟語を言い換えた表現が直前または直後にあることがほとんどである。この設問も、文の後半で〈のちのち大物になる〉と述べられているので、これを手がかりに判断する。文意にあてはまる四字熟語は「大器晩成」であり、正解は④。①は「虎視眈々(=ひそかに好機をねらうこと)」、②は「独不将軍」、③は「八方美人」という四字熟語である。②は〈一人きりでは将軍のような大物にはなれない(から、周囲の支援が不可欠だ)〉という意味である。また③は、日本語での意味とは異なり、〈どの方面に対しても強みを持っている〉という意味である。
■20■→④

2019年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B 여기! D・E
第3問 A B C
第4問 全設問
第5問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5