中級の壁を乗り越えたい!

いつの日か「私は上級者です」と自己紹介できることを夢みながら、いろんな勉強に手を出している人(=私)のための、お勉強ブログ。仮開館状態での運用中です。

【センター韓国語】2019年度・第2問DE

第2問

 下線部の語句の言い換えとして適切なものを選ぶ問題。類義語を問うている場合と、慣用表現の言い換えを問うている場合がある。類義語については、知っている単語の数に左右される部分が大きいので、普段からのボキャブラリー・ビルディング(語彙構築、単語習得学習)がものを言うところである。慣用表現については、設問文の表現が用いられている場面を想像し、わかる単語を手がかりにして、問われている箇所が何を象徴しているのかを考えれば、初めて見る表現でもある程度答えに近づけるはずだ。

問1

【訳文】園長さんが子どもたちをよく【世話をしてくださる】でしょう。

 下線部の보살피실(보살피다)は、「世話をする、面倒を見る」という意味である。①の달래실(달래다)は「なだめる」、②の배웅하실(배웅하다)は「見送りをする」、③の돌보실(돌보다)は「世話をする」、④の가르치실(가르치다)は「教える、教え込む」という意味なので、最も近いものは③である。
■21■→③

問2

【訳文】その問題は【くまなく】調査をして原因を明らかにしなければならない。

 下線部の샅샅이は、「くまなく、隅々まで」という意味である(なお発音は[삳사치]のようになる)。①の철저히は「徹底的に」、②の신속히は「迅速に」、③の공정하게は「公正に」、④の각별하게は「格別に」という意味なので、最も近いものは①である。
■22■→①

問3

【訳文】今は【冷や飯と温かい飯を分け(て選んでい)るべき】時ではないじゃないか。

 下線部を直訳すると、上記の訳文のようになる。〈冷や飯と温かい飯を分けて選ぶ〉というのは、言い換えれば〈提供された食事について、おいしくないものとおいしいものをより分ける〉ということである。例えば急いで職を探している人が、〈あっちの職場は給料が安い、こっちの職場はオフィスが古い〉などとえり好みをしているようなことの比喩として、この表現を用いる。つまり、〈あれこれと難癖やけちをつけてえり好みをする〉ということであり、選択肢の中では③の「あれこれ条件を考える」というのが最も近い。正解は③。①は「不平不満を隠す」、②は「あれこれと食べものを準備する」、④は「食べものの腕前を自慢する」という意味であり、いずれも不適切。
■23■→③

問4

【訳文】しょっちゅう【言葉のしっぽにかみついてぶら下がるから】、それ以上我慢できませんでした。

 下線部を直訳すると、上記の訳文のようになる。말꼬리を文字通りに訳すと「言葉のしっぽ」だが、より自然な日本語として「言葉尻(=細かな言葉の端々)」という表現を思い浮かべれば、意味はおおむね想像できるだろう。つまり下線部は、〈細かな言葉の端々をとらえてしつこく食い下がる〉ことを言っている。①は「余計な口出しをするから」、②は「関係ない別のことをするから」、③は「甘ったれるから」、④は「問いただそうとするから」という意味なので、最も近いものは④である。なお、②の딴짓という単語がやや難しいが、授業中や会議中、仕事中などにまったく違うことをする、いわゆる「内職」をいう。딴-は「ほかの、別の」という意味であり、딴말で「(文脈にまったく関わらない)とんでもない言葉」という意味になることから類推できるとよいだろう。
■24■→④

 空欄にあてはまる語句を答える問題。ここでは、日本語の慣用表現をどう翻訳するかが問われている。つまり、日本語の慣用句の比喩的・象徴的な表現をいったん平易な表現に置き換えた上で、韓国語の表現を考えることが必要になる。したがって、設問の下線部の日本語を正しく解釈できない場合は、日本語の国語辞典などをしっかり引いて、日本語の表現についても知識を増強する必要があるだろう。

問1

 下線部の「いい年をして」という表現は、〈十分に分別があるべき年齢であるにもかかわらず(その分別がない)〉という意味を持っている。つまり、〈(分別を身につけるためには)十分に年を取った〉、さらに言い換えれば〈年を取るだけ取った〉ということである。したがって、これに最も近い③が正解である。
 ①は「年は少しずつ取っているが」という意味だが、〈すでに十分(な年齢)だ〉という含意がなく、③よりも劣る。②は下線部の日本語を機械的に置き換えただけの表現であり、論外。④は「こんなに若い年で」という意味で、下線部とは逆の含意をもつので不適切。
■25■→③

問2

 下線部の「学生にあるまじき」という表現は、〈学生にはあるべきではない(=あってはならない)〉という意味である。直後に「行為」とあるので、〈学生としては行ってはならない(行為)〉と言い換えても差し支えない。これに最も近い③が正解。
 ①は「学生であれば当然の」という意味、②は「学生以外はしない」という意味で、いずれも上記の意味合いからはズレている。④は「学生として望ましい」という意味で、下線部とは逆の意味になってるので不適切である。
■26■→③

問3

 下線部のうち「言わんばかりに」という表現は、日本語の古典文法の知識も応用して考える必要がある。「言わん」の「ん」は、〈……しよう〉という意志の意を表す助動詞「む」の連体形が、「ん」と表記されたものである。「ばかり」は〈……くらい〉という程度を表す副助詞である。したがって、「言わんばかりに」は〈言おう(とする)ぐらいに〉という意味である。つまり下線部全体では、〈帰れと言い出しそうなぐらいに〉という意味であり、さらに言い換えれば〈帰れと言うかのように〉という意味であると言ってもよい。これに最も近い②が正解である。
 ①は「帰れと言いながら」、③は「帰れという言葉は言うことができず」という意味で、いずれも上記の意味合いからはズレている。④は「帰れと言おうとして」という意味で、少々紛らわしいが、下線部で「彼」は〈(まるで)帰れと言うかのよう〉な態度を取ったのであり、実際に「言おうとし」たわけではないので不適切。
■27■→②

問4

 下線部のポイントは2つある。1つめは「断らずに」という箇所で、これは〈前もって予告をしないで〉という意味であって、〈辞退(拒絶)しないで〉という意味ではない。2つめは「行こうものなら」という箇所で、「……(しよう)ものなら」という表現は〈もしも……してしまったら〉という過程の意を表す。まとめると、下線部は〈もしも前もって(何も)予告をしないで行ってしまったら〉という意味になる。これに最も近い②が正解である。
 ①は「拒絶しないで行こうと言えば」という意味で、1つめのポイントも2つめのポイントも誤っている。③は「許可も得ないで行こうと言えば」という意味で、1つめのポイントは微妙だが、2つめのポイントは確実に誤っている。④は「言葉を聞かないで行ってしまったら」という意味で、2つめのポイントは正しいものの、1つめのポイントが誤っている。
■28■→②

2019年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C 여기!
第3問 A B C
第4問 全設問
第5問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5