中級の壁を乗り越えたい!

いつの日か「私は上級者です」と自己紹介できることを夢みながら、いろんな勉強に手を出している人(=私)のための、お勉強ブログ。仮開館状態での運用中です。

【センター韓国語】2019年度・第3問B

第3問

 第3問のB・Cは、やや長い会話文を読んで答える問題である。BまたはCの一方が2名の会話、もう一方が3名以上の会話となることが多い。2019年度はBが2名の会話、Cが3名の会話からの出題である。
 ここでは、会話のほかにイラストが提示されており、イラストの中にも吹き出しや黒板の文字などの形で情報が含まれている。会話文だけで文脈が読み取れない場合には、イラスト内の情報を補えばわかりやすくなるだろう。
 ちなみに、仲間同士での名前の呼び方について確認しておく。名前が母音で終わる場合はとくに気にする必要はないが、子音で終わる(パッチムがついている)場合は、이を付けて呼ぶ(例:지혜→そのまま、기훈→기훈이)。ただし、「おい、〜さんよ!」というように、とくに相手に直接呼びかけるときは、名前が母音で終わる場合は야、子音で終わる場合は아を付ける(例:지혜→지혜야、기훈→기훈아)。

【訳文】

〈学校の新聞サークル室で〉
キフン:昨日インタビューに行ってきたって言ってたけど、どうだった?
チヘ:インタビューは思ったよりおもしろかった。ミヨンがちょっと遅れはしたけど。
キフン:ミヨンはどう? よくやってる?
チヘ:■33■ ミヨンは関心が多かったのか(=すごく関心をもっていたのか)、準備もたくさん(=しっかり)して、質問もたくさんしたんだ。

(p.94-右上イラスト)
「チヘ先輩、遅れてすみません。録音機(レコーダー)をうっかりし(て忘れてい)たので…。」

キフン:きみのチームの特集は「おもしろい職業」だったよね? アートセラピストっていうのは、ちょっと耳慣れないんだけど。
チヘ:芸術で心理治療(心理セラピー)をするんだけど、最近話題みたい。昨日会った方は、美術セラピーをなさっている方で、ダンスを用いた治療もあるとおっしゃってて。あなたたち、どう?

(p.94-右下イラスト)
「青色は、冷淡さや落ち着いた心の状態を表します。」

キフン:ぼくらは運動部を回っているんだけど、先週は野球部に行ってきた。今年は雰囲気(=ムード)がすごくいい(と感じた)。今度の全国大会に出るんだという覚悟(=決意)がすごかったんだ。
チヘ:■34■ そういう話が多かった(=そういううわさはよく聞いた)。今年の秋には応援しに行けたらいいね。

(p.95-右上イラスト)
「1年生の中にずば抜けた選手が多いです。」

キフン:まさにそうだよ。今度は一回期待しても(=ちょっと期待しても)いいみたい。そうだ、合宿の準備はどう? 準備すべきことがちょっと多いんじゃない?
チヘ:それで私たちは、来週からダンスの練習に入ろう(=練習を始めよう)と。
キフン:えっ! もう始めるの?
チヘ:8月はもうすぐよ。私たち(=うちのチーム)は1年生たちがとても積極的なの。
キフン:ははは。やっぱりミヨンがいるからかな? あの子は取材でも何でも積極的でいいね。

(p.95-右下イラスト)
「チーム別に(=チームごとに)特技自慢(=一芸披露大会)をしましょう。」
編集会議のテーマ
1.特集記事
2.合宿
問1

 空欄に適切な言葉を入れる問題である。
 空欄の言葉は、直前のキフンの質問(「ミヨンはどう? よくやってる?」)に対する返答である。したがって、チヘからのミヨンに対する評価の言葉が入る。
 空欄の後を見ると、チヘは「ミヨンが……準備もたくさんして、質問もたくさんした」と述べており、全体的にはよい評価をしていることがわかる。
 ただし、p.94右上のイラストを見ると、ミヨンが「録音機をうっかりし(て忘れてい)た」ことがわかる。
 以上のチヘの評価とイラストの内容を総合して、選択肢を検討する。各選択肢の日本語訳は下記の通りである。

①きちょうめんではないけど、一所懸命にやろうとしてる。
②アイディアは多いけど、使うに値するものは別にない。
③性格は明るいけど、ちょっと突拍子もない。
④怠けるところはあるけど、取材には積極的な方だ。

 ミヨンの評価として最も適切なものは①。ミヨンが録音機を忘れたことは①の「きちょうめんではない」に当てはまる。またミヨンがインタビューの準備をたくさんして質問もたくさんしたことは、①の「一所懸命にやろうとしてる」に当てはまる。
 ②は、全体的に否定的な評価になっている上に、「アイディアが多い」に該当する内容は会話文中になく、不適切。
 ③も全体的に否定的な評価である点が不適切であり、「ちょっと突拍子もない」という評価も不明確である。
 ④は、全体的に肯定的な評価ではあるものの、「怠けるところはある」に該当する内容が会話文中になく、不適切。
■33■→①

問2

 空欄に適切な言葉を入れる問題である。とくに慣用表現の知識が問われている。
 ここは、キフンとチヘが野球部について話し合っている場面である。キフンが野球部の雰囲気(ムード)のよさや、全国大会に出ようという覚悟(気合い)のすごさについて述べた後、チヘが答えた言葉の中に空欄がある。
 チヘは空欄のすぐ後で、「そんな言葉が多かった(=そんな話をよく聞いた)」と言っていることから、野球部に対するキフンの評価に同意しているのだとわかる。空欄には、この同意の気持ちの強さを示す言葉が入るのが最適である。
 そこで選択肢を検討してみよう。各選択肢の日本語訳は下記の通りである。

①どんなにそうであっても(=いくらなんでも)
②そうでなかろうか、違うだろうか(=あに違わんや、案の定)
③惜しいことに
④そうでないことなどなく(=果たしてまさに、まさしく)

 まず①③は、後に否定的な表現が続く言葉であり、キフンの評価に同意する文脈にならないので不適切である。
 残った②④だが、②は〈予測・予期したとおりに〉というニュアンスの表現であり、空欄の前でチヘが野球部の評価について予想した箇所はないので、適切とは言えない。④は相手の言葉に対して〈まさにそのものずばりだ〉というニュアンスを示す表現であり、これが最適である。
■34■→④

問3

 本文の内容に一致するものを選ぶ問題である。会話文だけでなく、イラストの内容もふまえて解答することが必要である。選択肢を順に検討する。
 ①を日本語訳すると「チヘが準備をたくさんしたので、インタビューがおもしろく進行した。」となる。p.94上段の対話を見ると、インタビューの準備をしっかりしていったのは、チヘというよりはミヨンであるとわかる。したがって不適切である。
 ②を日本語訳すると「アートセラピストは、色と心理の関係について話した。」となる。p.94下段のイラストを見ると、中央の女性(アートセラピスト)が「青色」という色と「冷静さ」「落ち着いた心」という心理との関わりについて述べており、②の内容に当てはまる。
 ③を日本語訳すると「野球部は、訓練を一所懸命にしたおかげで全国大会に出ることになった。」となる。p.95上段の対話を見ると、野球部はこれから全国大会に出ようという覚悟(気合い)を持っているのであって、まだ全国大会への出場は決まっていないとわかる。したがって不適切である。
 ④を日本語訳すると「夏に行く合宿では、同じ学年同士で特技自慢をする予定だ。」となる。p.95下段のイラストを見ると、「チーム別に(=チームごとに)特技自慢を」すると提案されている。そして同じ箇所の対話からは、「私たちは1年生がとても積極的だ」ということ、つまりチームには1年生以外のメンバーもいることがわかる。したがって、「同じ学年同士」での「特技自慢」ではなく、④は不適切である。
 以上から、最も適切な選択肢は②である。
■35■→②

2019年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C D・E
第3問 A 여기! C
第4問 全設問
第5問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5