中級の壁を乗り越えたい!

いつの日か「私は上級者です」と自己紹介できることを夢みながら、いろんな勉強に手を出している人(=私)のための、お勉強ブログ。仮開館状態での運用中です。

【センター韓国語】2019年度・第5問本文全訳

第5問

【訳文】

 今から50年前、大学の時のことだ。そのとき私は大学の近く(の地域)の小学校を対象とするボランティアサークルの活動をしていたのだが、そのサークルで西五陵に花見に行ったことがある。今でこそ交通(の便)が非常によくなったが、当時はバスの終点で降りて1時間程度歩かなければならなかった。私たちは三々五々話をしながら道を歩いていたのだが、私たち一行の先になったり後になったりしながら、同じ方向に歩いていく子どもたちがいた。水筒やおやつが入っている荷物を持っていた。明らかにお出かけ(=遠足)に行くところだった。〈ア〉
 みすぼらしい身なりだが、色白の子どもたちの表情が、ボランティア活動で出会った子どもたちの姿と重なり、なぜか私は、この子どもたちの群れに交じって今日一日を過ごしたいという考えが浮かんだ。子どもたちの世界に入っていくために大切なことは「初めての対話(=つかみの会話)」を無事に終えることだ。〈イ〉そこで私がちびっ子たちに投げかけた最初のことばは、必ず答えの必要な、そして答えることが可能なものでなければならない。万が一、「ねえ、きみの名前は何?」という一言を投げかけたなら、彼らとしてはまず(私に対して)答えてやる必要を感じない。それのみならず、むしろ(子どもたちを)あわてふためかせ、決して対話が成り立たなくなる。〈ウ〉
 私ははっと思いついたように、ちびっ子たちの方に振り向きながら「■42■」と最初の一言をかけた。この問いかけは、彼らにとってはまったく負担(感)がない(=負担にならない)質問だ。「はい」または「いいえ」で十分なのであり、また彼らをして誰かを助けたという喜びを与えることのできる質問だった。〈エ〉反応は予想よりずっとよかった。
 「(A)」ではなく「(B)」だった。そればかりか、「(C)」。
 しかし、その次の場面で意外にも話に詰まってしまう危うさは、依然として残っていた。だから
「バスの終点から半分くらいは来たことになるかな?」
「いいえ、半分もまだ来ていません」
「きみたちは、西五陵の近くに住んでいるみたいだね」
「いいえ、文化洞に住んでいます」
「じゃあ、今は文化洞からここまで来たところかい?」
「はい」
「家に帰る道を失ったら(=道がわからなくなったら)、どうしろって(いうのかな)(=どうしていいかわからなくて困るだろうに)」
「いえいえ、問題ありません(=大丈夫です)」
 こうしてひとまず対話の入り口を開いておいた。今や、このちびっ子たちの世界の中により深く足を踏み入れなければならない。芸能人やスポーツ選手、アインシュタインのような偉人たちについてあれこれ質問をしながら、また彼らの話を誠意を持って聞いてやりながら、私たちは相当に親しくなることができた。
 そうする間に、いつの間にか西五陵に着いた。ひとまず私はサークル一行の中に戻ってきたが、昼食を食べ終えた後、自由時間には再びちびっ子たちに会って、相撲もとり、歌も歌い、写真も撮って、ひととき遊んで別れた。
 (その後)サークルの友達と話に花を咲かせていたところ、ちびっ子たちが訪ねてきた。はや家に帰る身なりだ。彼らは写真が(現像されて)できあがったら一枚送ってほしいと言って、住所を書いてくれたあと、ひとくくりのチンダルレ(ツツジ)の花を差し出した。そして小学生らしく一斉に頭を下げてあいさつをして帰っていった。
 今も私の記憶の中で最も明るいチンダルレの花の色は、このときに受け取ったチンダルレの花の色だと思っている。いつかソウルに帰ったら、私は西五陵に春の寂しい散策に行きたい。きれいなチンダルレひと房を胸につけて、ゆっくり歩いて行き、ゆっくり歩いて戻りたい。

2019年度の問題・解説へのリンク

問題PDF 朝日新聞 センター公式
解答PDF 朝日新聞 センター公式
第1問 全設問
第2問 A・B C D・E
第3問 A B C
第4問 全設問
第5問 여기! 問1〜問3 問4・問5
第6問 本文全訳 問1〜問3 問4・問5